屋根塗装での注意点
今回は屋根塗装で注意すべき事を考えていきます。
まず、屋根を塗り替える上で重要なことは屋根の種類をきちんと見分けることです。
たくさんの種類がありますが大きく分けて①粘土系②セメント系③スレート系④金属系といった分け方をされています。
それぞれに注意すべき点がある為、特徴をみていきましょう。
①粘土系
粘土を使った焼き物であり耐久性が高く一般的に陶器瓦、素焼瓦、いぶし瓦などと言われており塗り替える必要がないとも言われております。
他の瓦に比べて耐久性は高いのですが、割れやすいという特徴もあります。
また、基本的に塗り替える必要はありませんが全く劣化しないわけではなく経年と共に表面劣化は起きていきますので塗り替えることも可能です。
以前は塗装業界では「粘土系の瓦は塗り替える必要がない」「塗り替えることができない」と認知されていました。
ですが実は、粘土系の瓦でも塗装ができる塗料が複数開発されております。
粘土系の瓦を塗装する際は細心の注意が必要です。
オリエンタル塗料工業の「トウキマイルド」
※下塗りなしで使用できるのが特徴
②セメント系
セメントと砂を原料としており、耐久性も高く割れにくいのが特徴です。
大きく分けてプレスセメント瓦とコンクリート瓦に分かれています。
また塗り替える点での注意が必要な「軟式コンクリート瓦(モニエル、スカンジア、パラマウント)」も存在します。
「軟式コンクリート瓦(モニエル、スカンジア、パラマウント)」とは瓦の表面にスラリー層といわれる層が施しておりこれがあることにより塗装をしても剥離していきます。
そのため、塗装する為にはこの「スラリー層」を除去する必要があるのですが高圧洗浄機を使って洗浄してもきちんと取り除けない場合があります。
そのため、「軟式コンクリート瓦(モニエル、スカンジア、パラマウント)」を塗装する際には「スラリー層」が多少残っていてもいいようにスラリー層を強化する材料を選定する必要があります。
こちらを使用する事により剥離を未然に防ぐことができます。
また「軟式コンクリート瓦(モニエル、スカンジア、パラマウント)」は見た目には非常に分かりずらい為、きちんとした見分ける知識が必要になります。
瓦そのものの形は「セメント瓦」と「軟式コンクリート瓦」は同じものがあり、間違えやすい為、一番分かりやすい見分け方は瓦の「小口」といわれる先端部分をみることで判断できます。
「セメント瓦」はつるっとしているのに対して「軟式コンクリート瓦」はごつごつとしているのが分かります。
この判断を誤ると、後々大変なことになる為、非常に重要なことです。
③スレート系
セメントと繊維材料を高温高圧下で成型し、その上から塗装を施した人工的な屋根材です。
代表的な商品はカラーベスト(コロニアル)といった商品になります。
もともとは主原料として天然繊維の石綿(アスベスト)が使われていましたが、2004年にアスベストを含んだ製品は製造禁止となり、現在では環境への配慮から人工繊維や石綿以外の天然繊
維をベースにしたものが多く普及しています。
2004年までの第1世代の商品はアスベストを含むことにより耐久性が高い商品となっておりましたが、それ以降に製造された第2世代の商品は非常にもろい商品が多く塗装の際は注意が必要で
す。また中には塗装は出来ない商品もあり、基本的に状態が悪い場合は葺き替えるかカバー工法になります。
下記商品は、アスベストが含まれていない商品(ノンアスベスト)で非常に粗悪なものが多く現在でもお悩みのお声を多数お聞きします。
商品名 | メーカー |
コロニアルNEO | 旧クボタ |
セイバリーNEO |
旧クボタ |
グリシェイドNEO | 旧クボタ |
グリシェイドグラッサ | 旧クボタ |
レサス | 旧松下電工 |
エコ・シンプル | 旧松下電工 |
シルバス | 旧松下電工 |
シンフォニー | 旧松下電工 |
パミール | ニチハ |
現在、発売している第3世代の商品はノンアスベストの物になりますが第2世代の物が改良されており耐久性も大幅に上がったため、塗装も心配なく対応できるようになっております。
④金属系
金属屋根と言ったらよく聞くのがトタン屋根です。
鉄板を亜鉛メッキで覆った金属になります。
この屋根の特徴はやはり、錆やすく雨音がうるさいといったことです。
塗装の際の注意としては密着を良くするための「目荒し」といった表面に細かな傷を付ける作業が重要になります。
このひと手間を省いたために早期の剥がれが起きるといったことがあります。
金属屋根を塗装する際は必ず「目荒し」の工程を入れる必要があります。
その他にも、銅板製やステンレス製、チタン製、あまり聞きなじみのないジンカリウム鋼板といったものがありますが近年人気のある商品はガルバリウム鋼板で間違いないでしょう。
ガルバリウム鋼板は近年、新築の家や屋根の改修の際、非常に人気の高い商品となっております。
耐用年数も20年以上と非常に高く費用もジンカリウム鋼板の半額ほどと非常にコスパの良い商品です。
見た目がトタン屋根みたいで嫌だという方には少々値段は上がりますが横葺きの商品もある為ご安心ください。
塗装ではなく葺き替えをご検討の際はガルバリウム鋼板がコスパ的に優れております。
まとめ
各種塗装の際には注意が必要なものが存在します。
知らずに塗装をすると取り返しのつかないことになる場合もある為、塗装をする際には必ず専門知識をもった方に一度確認してもらうことをお勧めします。
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